2004年10月2日 Monthly Live in 四谷コタン vol.10

写真・文/高橋久未子さん
「ことばのチカラ」

「歌」の持つチカラってなんなのか、といわれれば、
つまりは「人の心を動かすこと」なんだと思う。
もちろん、世の中には、メロディだけで感動させられてしまう歌も
たくさんあるわけなのだけれど(言葉の分からない洋楽とかね)、
でも、自分が理解できる言葉で歌われた歌、は、
聞き手に届くとき、自然と「ことばのチカラ」という作用が働く。
歌詞の世界に感動したり、共感したり、何かを気づかされたり、励まされたり。
当然、いくら歌詞がよくても、曲や声にもチカラがなければダメなんだけど、
歌詞が日本語の場合、まずそれが聞き手に伝わる「ことば」であるかどうか、
そして、そのことばを伝えられる「歌」であるかどうか、というのは、
メロディや声そのものの良さと同じか、それ以上に、とても重要なことだと思う。

で、WALLYさんの歌には、その「ことばのチカラ」があるんだよなあ、と、
CDを聞くたび、ライブをみるたび、いつも思う。
それは、とても上手いボーカリスト、というのとは、ちょっと違う。
ピアノに彩られた、せつないメロディに乗って、歌が聞こえてくると、
そこに描かれている人の気持ちや姿が、すっと目の前に浮かんできて、
その喜びや悲しみが、まるで自分のことのように想像されるのだ。
歌詞に込められた「熱い想い」が、声によってその体温を取り戻す瞬間、
といってもいいかもしれない。
たとえば、大事な「誰か」がいない、抜け殻な風景。
そうだよね、好きな人がそばにいないって、こういう気持ちだよね。
私がそう感じたとき、歌は、彼自身の中にあるドラマでありながら、
私自身のドラマにもなっている。
その「共振」こそがつまりは「感動」で、それを呼び起こせる「ことば」と、
その「ことば」を伝えるメロディ、演奏、声を併せ持っているWALLYさんは、
やっぱり、天性のシンガーソングライターだと思うのだ。

というわけで、本日のメニュー。

「Disteny」
「Live up to Tokyo without you」
「ファムレウタ」
「晩夏」
「エアポート」
「Lovin' you」

10月に入って、さすがに秋の気配が濃厚になってきた東京の街には
「晩夏」はますますぴったりな切なさだったのでありました。